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出版品(特実意)
2024年第一四半期における知的財産権動向 (2024/06/28)

編集部

一、     専利および商標全体の出願傾向

2024年第1四半期における、台湾が受理した3種類の専利出願件数は16,815件で、そのうち特許は11,989件、実用新案は3,226件、意匠は1,600件となり、特許と意匠の出願件数はいずれも前年同期比4%減少となったが、実用新案4%増加となった。また、台湾人による専利出願件数が占める割合は49%で、外国人が占める割合は51%であった。過去5年間における第1四半期の同期の専利出願件数は2年連続で微減となり、今後の展開が注目される。

受理された商標登録の出願件数は21,751件(26,928カテゴリー)で、前年同期比1%の微増となり、そのうち台湾人が占める割合は78%、外国人が占める割合はは22%となった。過去5年間の第1四半期の出願件数は1%の増加となり、わずかではあるが、マイナスからプラスに転じた。

二、     国内出願人による専利出願の概要

(一)      特許出願件数上位10出願人

台湾人による特許出願は4,492件であり、そのうち企業によるものは3,655件であった。特許出願人上位10出願人は、TSMC(台湾積体電路製造)の出願件数が413件で首位に立ち、次いでNANYA(南亜科技)が121件、AUO(友達光電)とINNOLUX(群創)がいずれも84件、ACER(宏碁)が71件、MEDIATEKが(聯發科)69件、INVENTEC(英業達)が65件、REALTEK(瑞昱)が63件、DELTA(台達電)が51件、及びFOXCONN(鴻海)は47件となった。

TSMC(台湾積体電路製造)は2023年第1四半期から5四半期連続で1位を獲得している。FOXCONN(鴻海)は2022年第2四半期以来、出願人トップ10に返り咲いた。

(二)      意匠出願件数上位5出願人

国内出願人による意匠出願件数は753件であり、出願件数上位5出願人のうち、KEYWAY(聯府塑膠)が21件で最も多く、次いで長庚記念科学技術大学及び超合がいずれも14件、宮前と巨鎧精密(COPLUS)がいずれも12件となった。

(三)      高等教育機関による特許出願件数上位10出願人

台湾の高等教育機関による特許出願件数は312件でり、出願人上位10位のうち、国立台湾大学が出願件数20件で1位となり、次いで国立清華大学が18件、国立成功大学が16件、長庚科学大学が15件、亜東科技大学が14件、国立台湾科技大学が13件、国立中山大学及び国立陽明交通大学がいずれも12件、国立中央大学が11件、中国医薬大学及び国立台北科技大学がいずれも10件となった。

(四)      研究機関及び国営企業による特許出願人

台湾の研究機関による特許出願件数は70件で、出願人上位5件は、ITRI(工業技術研究院)が35件、SINICA(中央研究院)が9件、TTRI(繊維研究所)、NARI(国立科学技術研究院)、NARLABS(産業技術総合研究所)がいずれも4件とった。台湾の国営企業による特許出願案件は11件で、そのうち台電力が6件で最も多く、次いで台湾中油が4件となり、また、案件の成長率は前年同期比29%増で、国営企業が専利ポートフォリオを非常に重視していることを示している。

三、     海外出願人による専利出願の概要

(一)      特許出願件数上位10出願人

海外出願人による特許出願件数は7,497件で、出願人上位10位のうち、米国のアプライドマテリアルズ(Applied Materials)が250件で首位を維持し、次いで韓国のサムスン電子(SAMSUNG)が 240 件、韓国の韓領が175件、米国クアルコム(Qualcomm)が170件、日本の東京エレクトロンが165件、日本の日東電工が136件、日本の住友化学が102件、日本の富士フイルムが83件、オランダのASMLが79件、英国の尼可創業(Nicoventures Trading Limited)が71件となった。

(二)      特許出願人の国籍分析

特許出願上位5か国(地域)について、日本が3,325件で1位となり、次いで米国が1,526件、韓国が715件、中国が698件、ドイツが222件となった。その中で、今年四半期に韓国が中国を追い抜き、件数の伸び率が29%となり4位から3位に昇格した。台湾専利ポートフォリオにおける韓国の拡大を示していることから、今後の展開には注目する価値がある。

(三)      意匠出願件数上位5出願人

外国出願人による意匠出願件数は847件であり、出願件数上位5出願人は、スウェーデンのVolvo Carsが32件と最も多く、次いでスイスのWonderland Switzerland AGが27件、フランスのStellantis N.V.が25件、日本のユニ・チャーム(Unicharm)及び田崎が19件となった。

Volvo Cars及びStellantis N.V.はいずれも初の上位5入りとなり、Volvo Carsは1位に躍り出た。

(四)      意匠出願人の国籍分析

意匠出願上位5か国(地域)について、日本が213件と最も多く、次いで米国の138件、中国の105件、スイスの91件、フランスの51件となった。

四、     商標登録出願の概要

(一)      台湾国内の商標登録出願上位10出願人

台湾国内の商標登録出願件数上位10出願人のうち、統一企業が311件でランキング1位となり、次いで富邦媒体72件、呉若梅48件、昕力資訊47件、金車39件、愷達生医36件、池安量子資安34件、昇恒昌33件、興富発27件、訊聯細胞智薬26件となった。

(二)      台湾人による出願のカテゴリー

国内出願人による出願上位3カテゴリーについて、順に第35類(広告、企業経営等)が3,201件、第43類(レストラン、宿泊施設等)が1,708件、第30類(コーヒー・茶及びケーキ等)が1,586件となり、これは台湾企業において企業経営等のサービス業がほとんどを占めていることを示しており、また、飲食サービス業が依然として相当の市場力を維持していることを証明している。

(三)      外国人の商標登録出願件数上位10出願人

外国人よりの商標登録出願件数上位10出願人について、中国の泉州宝宇貿易が56件で第1位にランクされ、次いでケイマン諸島の騰訊控股(Tencent Holdings)が42件、中国の栄耀終端が39件、韓国星燦盛世文化(PLEDIS Entertainment)が31件、香港米斯托及び周生生珠宝がいずれも29件、フランスL’OREAL,S.A.が24件、中国北京広宜科技が22件、アイルランド吉聯亞科学(GILEAD SCIENCES IRELAND UC)及び韓国芸享がいずれも21件となった。

(四)      海外出願人の国籍分析

商標登録出願件数上位5か国(地域)のうち、中国が1,261件と最も多く、次いで日本736件、米国674件、韓国449件、香港299件となった。

(五)      外国人による出願のカテゴリー

外国人による出願件数上位3区分について、順に第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)884件、第35類(広告、企業経営等)600件、第3類(化粧品、洗浄剤等)515件となった。そのうち、第9類のコンピュータ、オーディオビジュアルと情報テクノロジー設備商品、及び第35類の商品小売及びネットショッピングサービス等について、外国人は商標登録出願保護に重点を置いている。

(六)      業界別分析

台湾が受理した5,915件の商標出願のうち、「農業食品材料」が各産業を超えて1位となり、次いで「健康医療サービス」が4,449件、「商業金融サービス」が4,181件となった。また、特に注目したいのは、ランキング4位の「技術研究」(3,598件)が件数において前年同期比5%増となり、上位3産業と比べ、成長が比較的大きかった。

国内出願人は「農業食材」産業(4,985件)への出願に集中しており、主にレストラン及び宿泊施設の商標件数が比較的多かった。外国出願人で最も多かったのは「技術研究」業で1,433件であった。そのほか、国内出願人では「農産食品」や「健康医療サービス」、「衣料品」の件数がいずれもプラス成長となった。

 

注:上記の統計データは、その出願人及び国籍ランキングにおいて出願の「第1出願人」を計算の基礎とする。

2024年第1四半期の統計は、下記知的財産局のウェブサイトの「四半期統計」に掲載されていますので、ぜひご参照ください。(https://www.tipo.gov.tw/tw/lp-167-1.html)。

※ご不明点がございましたら、お気軽にipdept@taie.com.twまでお問い合わせ下さい。

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