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台湾知的財産局は2021年10月に炭素削減技術の発展に係るパテントマップを公布した

編集部

「2050年カーボンニュートラル」は世界各国の目標であり、炭素削減技術の研究開発は、「実質ゼロへの炭素排出削減」を促進できるだけでなく、新技術に大きな商機を齎すこともできる。台湾知的財産局は、世界知的所有権機関(WIPO)が2010年に創立したグリーンインベントリ(WIPO IPC Green Inventory)の七大分類のテーマに基づいて、「炭素削減技術の発展に係るパテントマップ」を作成した。それは、環境上健全な技術(Environmental Sound Technologies,ESTs)と直接的に関連する国際特許分類(IPC)を約200種含むと共に、関連する産業の特許出願に係るここ10年のトレンド分析、及び、各技術テーマにおける主な特許出願人の代表的な例を含むことから、関連業者の発展方向及び技術分析にとって重要な参考資料となり得る。

前記七大分類の分析結果は下記の通りである。(注:台湾知的財産局が公布した報告書の結論からの抜粋)

(一)代替エネルギー

台湾における、2011年~2021年6月に公開された代替エネルギー関連出願の、グリーン関連出願の全体に占める割合は25.7%であり、また、2011年~2014年の公開件数が逐年増加していたに対し、2014年~今年の公開件数は減少傾向が見られ、且つ、台湾の代替エネルギー関連出願の公開件数の傾向は、IEAの特許分析31と同様であるので、代替エネルギーの技術全体が成熟段階に達しつつあることが分かる。

(二)運輸

台湾における、2011年~2021年6月に公開された運輸関連出願の、グリーン関連出願の全体に占める割合は7.5%であり、また、その2011年~2013年の公開件数が年々増加していたが、2013年からの公開件数は675~766件と維持され、ここ数年の公開件数の顕著な増加は見られない。

(三)省エネルギー

WIPOグリーンインベントリの第一階級の技術について、省エネルギー研究の主力は低電力消費照明の11,786件(35.0%)で、次は電力消費測定の10,246件(30.4%)、電源回路の7,628件(22.6%)であり、この三種で約9割を占めている。また、後二者は、大体スマートグリッドに分類される。

WIPOグリーンインベントリの第二階級の技術について、省エネルギー研究の主力はエレクトロルミネセンス光源(例えばLED、OLED、PLED)の11,786件(35.0%)で、次は電力消費測定の10,246件(30.4%)、電源回路の7,553件(22.4%)、電気エネルギー貯蔵の3,015件(8.9%)であり、これらで95%超を占めている。また、前記電力消費測定及び電源回路は大体スマートグリッドに分類され、前記電気エネルギー貯蔵はエネルギー貯蔵に属する。

(四)廃棄物管理

WIPOグリーンインベントリの第一階級の技術について、廃棄物管理の研究の主力は汚染制御の7,995件(71.1%)で、次は廃棄物処理の10,246件(12.0%)、廃棄物再利用の1,209件(10.8%)であり、この三種で9割超を占めている。

WIPOグリーンインベントリの第二階級の技術について、廃棄物管理の研究の主力は水汚染制御の4,285件(38.3%)で、次は空気品質管理の3,465件(30.99%)、廃棄物処理の1,345件(12.03%)、廃品材料のリサイクル又は加工の807件(7.2%)であり、これらで約9割を占めている。

(五)農業/林業

農業/林業技術に係る出願の数量は多くなく、主に、環境汚染の低減(例えば、化学殺虫剤の使用を減少するために農薬代用品を使用する技術、及び、土壌を改良して再生させる技術)及び廃棄物の低減(例えば、廃棄物から抽出された有機肥料)に係わるものである。

(六)行政、規制及び設計

行政、規制及び設計の技術に係る出願は、その成長が最も速く、かなり大きな割合を占めている。この分類は、主に電子化、ペーパーレス化作業を目的とすることから、グリーンに分類される。それに関連する応用範囲はかなり広く、フィンテックの他に、農業、製造業、サービス業、物流、運輸に係る管理も含まれている。

(七)原子力発電

原子力発電について、原子力はWIPOのグリーンインベントリに属しているが、原子力と炭素削減技術との関連性は、互いに並行的又は代替的なエネルギーであると思われる。しかしながら、原子力発電による紛争が多いので、台湾の出願は多くない。

更に、台湾知的財産局は、グローバル特許検索システム(Global Patent Search System,GPSS)において、「グリーン技術エリア」を設立した。該「グリーン技術エリア」は、WIPOグリーンインベントリの分類テーマに基づき、係るテーマの技術分析報告を提供すると共に、検索条件を付加する機能を有する検索インターフェースを備えているので、係る業者は、これを利用して、研究開発しようとする技術に関する特許情報を検索し、その研究開発を促進することができる。

※詳細については、ipdept@taie.com.twまでお問い合わせ下さい。

参考ウェブサイト:

https://topic.tipo.gov.tw/patents-tw/cp-750-897738-d3b70-101.html
https://topic.tipo.gov.tw/patents-tw/dl-279886-611d20536a9b4540b2bb616f8b1d03c9.html

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