編集部

東京五輪で台湾代表選手が活躍を見せる中、インターネットに接続して映像コンテンツを視聴できるセットトップボックス（STB）を利用し、違法に配信された映像で試合を観戦する行為がありますので、台湾知的財産局は2021年8月2日に、｢著作権侵害の違法STB製造、輸入、販売に最大2年の懲役｣との旨のプレスリリースを発表しました。また、主な内容は以下の通りであります。

最近、台湾国内で東京五輪の試合を観戦する人が多く、著作権侵害のセットトップボックス（STB）に対する論争もますます激しくなっている。台湾知的財産局は本日（2021年8月2日）、｢著作権を侵害している映像を配信するSTBを製造、輸入、販売した場合、著作権法の規定に照らすと、最大で2年以下の懲役および50万台湾元（約195万円）の罰金が科される｣と強調し、｢正規のコンテンツを支持する｣よう国民に呼び掛けた。

近年、市場で販売されている一部のSTBやアプリケーションは、違法配信された映像を視聴できる著作権侵害のウェブサイトにアクセスできる便利なルートを公衆に提供することで、著作権者又は使用権の許諾を受けた合法OTT業者に大きなダメージを与えると共に、台湾国内のコンテンツ産業にも影響を及ぼす。台湾知的財産局は、「この類型の著作権侵害行為をやめさせるため、2019年5月1日により、著作権法の第87条第1項第8号及第93条の条文が改正施行された。該条文に該当する者は、2 年以下の懲役に処し、又は 50万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。」と説明した。

台湾知的財産局の説明によれば、以下のいずれかに該当する行為は違法になる。

一、違法配信された映像を視聴できるウェブサイトへのリンクを収集したアプリケーション（台湾で一般的に「追劇神器」と言う）をGoogle Playストア、Apple Store等のモバイルアプリストアや他のウェブサイトにアップロードし、公衆のダウンロード及び使用に提供する。

二、公衆に前述のアプリケーションを提供することはないが、前述のアプリケーションを公衆にダウンロード及び使用させるため、指導、協力又はショートカットを提供する。例えば、STBにおいて、前述のアプリケーションを搭載していないが、該アプリケーションをインストールするよう公衆に指導又は協力した場合。或いは、前述のアプリケーションを公衆にインストール及び使用させるため、STBにおいてショートカットを提供した場合。

三、前述のアプリケーションをアクセス又は搭載した設備又は器材を製造、輸入又は販売する。例えば、前述のアプリケーションを搭載したSTBを販売した場合。

前述の改正著作権法が施行されて以来、既に数多くの違法STB製造に関する事件が司法機関に送検された。また、台湾知的財産局は、市場秩序の合法性を早めに回復させるため、ECサイト及び他の販売ルートにおける違法STBの販売停止にも協力した。台湾知的財産局は今後も、｢東京五輪の正規配信映像を視聴することで台湾代表選手を支持する｣ことを積極的に国民にアピールしていくつもりである。

著作権法の第87条第1項第8号

他人が公開伝送又は公開放送する著作が著作財産権を侵害する物であると明らかに知りながら、インターネットを通じて当該著作に接触するよう公衆へ意図的に提供し、以下のいずれかの状況により利益を受けている場合：

(１) 当該著作の I P アドレスを収集したコンピュータープログラムを公衆の使用に提供する。
(２) 公衆に前述のコンピュータープログラムを使用するよう指導、協力又はショートカットを提供する。
(３) (１) のコンピュータープログラムの設備又は器材を製造、輸入又は販売する。

前項第7 号、第 8 号 の行為者が、広告もしくはその他の積極的な措置をとり、公衆を教唆、誘致、煽動、説得し、コンピュータープログラム又はその他の技術を利用させ、著作財産権を侵害する者は、該号の意図を具えるとする。

第93条

次の各号のいずれかに該当する者は、2 年以下の懲役、拘留に処し、又は 50万台湾元以下の罰金を科し又は併科する。

4. 第 87 条 1 項 7 号 又は第 8 号 の規定に違反した者。